ミラーレス一眼デジタルカメラは、レンズを交換することができます。カメラ屋さんに行くと、いろんな種類のレンズがたくさん並べられていますね。レンズってそんなにたくさんの種類が必要なのでしょうか?
レンズを交換することにどのような意味があるのでしょうか?
レンズの種類
レンズの役割はなんだかわかりますか?レンズの役割を考える前にカメラの役割を思い出してみましょう。カメラは「外の光(像)」をカメラの中に入れて「像」として記録するものです。
その際、360度全面的に「像」を記録することはできません。人の目も全面的に見えているようで見えていません。ある範囲で切り取られて見えています。どんな範囲で切り取られているかは、その見る人の意識で変化します。
フレーム
その切り取られた範囲をカメラ内部で忠実に再現することには難があります。そこでまずフレームということで、ある一定の四角い枠のサイズ比率を決めてしまいます。
それが 4:3とか、3:2とか、16:9とかの比率です。カメラの画像サイズ「横縦比」を設定するときに選ぶことができるモノです。
通常、人の目は横に2つ並んでいるので横長の画像サイズ比が多いのですが、1:1という比率の設定もあります。つまり正方形ですね。最近流行のインスタグラムでよく見られるフレームの比率ですが昔から人気のある比率です。
フレームに入る範囲
人の目の印象に合わせるためにフレームの比率を決めました。人の目が意識内に捉える範囲というのも人それぞれです。左右上下広く意識するような人もいれば、目の前だけを意識する人もいます。
その場所やその時によっても意識する範囲は変化します。カメラ内で(像)にするときにその意識する範囲、像を捉える範囲も人の目に近づけたい。そう思うのが当然です。
そこでカメラのレンズに多くの種類が生まれてくるのです。
もうわかってきましたね。たくさんのレンズがある意味。そうです。左右上下広く意識する人の目に近づけようとするレンズ。目の前の情景に集中している人の目に近づけようとするレンズ。
一般的な人の視界に近づけたレンズ。そして、人の目では見ることができないけれど虫や鳥など小さい生き物が見ている世界に近づけたレンズもあります。
レンズの分類
そのように考えることで、レンズを大きく4つに分類することができます。
- 広角レンズ(左右上下広く意識する人の目に近づけようとするレンズ)
- 狭画レンズ(目の前の情景に集中している人の目に近づけようとするレンズ)
- 標準レンズ(一般的な人の視界に近づけたレンズ)
- 近接レンズ(人の目では見ることができないけれど虫や鳥など小さい生き物が見ている世界に近づけたレンズ)
2つ目の「狭画レンズ」は、一般名称として「望遠レンズ」と呼ばれています。この4つの分類を複合させたものもあります。ズームレンズといいます。
お店で分類を見分ける方法
お店に並んでいるレンズを見て、どれが広角でどれが標準なのか...わかりにくいですよね。その見極めのヒントになる数値がレンズに表示されているのでお店に行ったとき確かめてみてください。
どんな数値かというと
16mm とか、35mm とか、50mm 。あるいは、18-50mm とか、28-120mm といった数値です。これらの数値を焦点距離といいます。18-50mm のように数値が2つ繫がってるのがズームレンズです。35mm のように1つだけのものを単焦点レンズといいます。
レンズの分類法と焦点距離の数値を合わせて見てみましょう。
[st-kaiwa4 r]センサーのサイズで焦点距離の数値はズレます。センサーサイズ別に記載します。また、わかりやすくするために範囲が広い順に並べ替えています。[/st-kaiwa4]イメージセンサーが「APS-C」の場合
- 広角レンズ:23mm 以下
- 標準レンズ:35mm
- 狭画レンズ:43mm 以上
イメージセンサーが「マイクロフォーサーズ」の場合
- 広角レンズ:18mm 以下
- 標準レンズ:25mm
- 狭画レンズ:32mm 以上
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まとめ
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ミラーレス一眼デジタルカメラのレンズがたくさんある理由。レンズを交換する意味。
レンズの種類がたくさんある理由、交換する意味はご理解いただけましたか。写真の撮り方や撮るモノでどのレンズを使うかを考えるということです。
カメラの初心者さんの場合、その使い分けは簡単ではありません。1本目のレンズは、人の目の範囲に近い標準レンズからはじめてみることをオススメします。
フレームに入る範囲を変えることが可能なズームレンズは一見、便利な気がします。しかし広角、標準、狭画それぞれを習得した中上級者でなければ、扱うことは難しいレンズといえます。
写真はフレーミングで9割決まります。ズームのない標準レンズを使っている人は「いつまでたっても写真が上手くならないなぁ」という人が少ない。そう感じています。
まずは、ズームできない標準レンズでフレーミングの感覚を掴むトレーニングをオススメします。