草花とはなんでしょうか。というお話の続きです。
草と花なのでしょうか。木々の花は含まれるのか含まれないのか。野菜はどうなのか。
草花百種
1901年に出版された「草花百種」という図書があります。上下巻、2編上下巻の合わせて4巻に草花がまとめられています。
はじめに登場するのは「さくらそう」です。花びらが桜の花に似ています。自生もありますが、鑑賞用に育てられることも多い。
江戸時代から人気があり、この「草花百種」のトップを飾るのもうなずけますね。
「さくらそう」は草花らしい草花です。ところが次のページを開くと「八重桜」「棣棠」が登場するのです。
「棣棠」は、ヤマブキのことです。■山吹色のヤマブキです。
八重桜もヤマブキも「草花」というイメージではなかったのですが「草花百種」の2ページ目を飾る植物になっています。
それで「草花」とはなんだろう...。
となってしまったのです。
「草花」に木々の花も含まれるのです。
ある辞書で調べてみると
「花の咲く草、草に咲く花」
とあります。
そのままですね。
別の辞書では、
「美しい花が咲く種類の草」
とあります。
美しいかどうかは、見る人によるので説明として不完全です。また、さきの「草花百種」の件を考えると「草」だけに限定するのも難しい。
鑑賞目的
ウィキペディアで見てみます。
草花(くさばな)とは、花を咲かせる草、花や葉・実などを観賞するために栽培される草本のこと。広義には、花木や盆栽などの木本も含まれ、観賞植物(ornamental plant)、園芸植物、花卉(花芔、かき)とも呼ばれる。
引用元: 草花 - Wikipedia
「鑑賞するために栽培される」というところがしっくりきますね。
江戸の文化が栄えた頃、様々な植物が鑑賞のために育てられていました。それらを総称したものが「草花」ということだと考えられます。
では、鑑賞目的ではない場合、草花と言えないのでしょうか。
例えば、前回の話に登場した、柵に絡みつくヘクソカズラ。
これは、鑑賞用に育てられたわけではなさそうです。
「草花」でなければ何なのでしょうか。
ヘクソカズラも鑑賞目的で育てれば「草花」の仲間入りです。鑑賞目的ではなくいつの間にか生えてきた場合の名前が見つかりません。
これを「除草したい」と思えば「雑草」という名前を授けられます。「除草したい」と思わなければなんだろう。
どうも答えが見つかりません。