近づきすぎるとピントが合わない
小さな被写体を撮影する。
例えば、ハンドメイド作品などのアクセサリーや雑貨、または公園に咲く小さな花などを撮りたい。
小さいモノを画面いっぱいに大きく写したくてカメラをぐーっと近づける。
オートフォーカスのピントが合ってくれない。
という経験はありませんか?
カメラ壊れているわけではありません。
ミラーレス一眼デジタルカメラで被写体に近づいて撮りたいときに便利な小道具について書きました。

例えばこんな場面
先日、ベランダのマイクロトマトの枝にふわふわの物体がとまっていました。
ケサランパサランとも呼ばれることがあるアザミの綿毛だと思われます。
台風の風でどこからかマンションのベランダにまで吹き上げられてきたのでしょう。
これを写真に収めてみました。
見えますか?
小さすぎて何を撮りたかったのか、何を見せたかったのか分かりにくいですよね?
わたしがいつも使っている富士フイルムの単焦点レンズ XF35mmf1.4 は、これ以上近くに寄れないのです。
これ以上近づくと被写体にピントが合いません。
被写体にピントが合う範囲はレンズ毎に決まっています。
被写体に近づいて撮る場合の最接近距離を最短撮影距離といいます。
最短撮影距離は、交換式レンズの取扱説明書に記載されています。
あなたが使っているレンズの最短撮影距離を確認しておきましょう。
先ほどの写真を撮った XF35mmf1.4 のレンズは、最短撮影距離が28センチメートルです。
30センチの定規ひとつ分程度までしか被写体に近づくことができないのです。
先ほどのような写真になるわけです。
誤解の無いように補足しておきます。標準(換算50mm)で28センチメートルまで寄れるレンズは優れものなんですよ。
あともう少し被写体に寄りたい。
ケサランパサランに近づきたい。
そんな時にはマクロレンズという接近用のレンズを使うことが可能です。
とても高価なレンズです。
富士フイルムのXシリーズであれば、XF60mmF2.4 R Macro や XF80MMF2.8 R LM OIS WR というマクロレンズがあります。
XF60mmの方で約10万円(アマゾンプライムなら6万円弱)、XF80mmは約12万円もする代物です。
接近撮影をめったにしない方は購入を躊躇うことでしょう。
それでも、手づくりしたハンドメイド作品をミンネやメルカリで販売したいと思えば近づいて撮る必要性が出てきます。
商品が小さく写っていて何か分からない写真では売れません。
無理矢理大きく写して大事なところにピントが合っていない写真では困ります。
そこで今回ご紹介したいのがコレです。


クローズアップレンズというものです。
レンズの前に取り付ける保護用フィルター(レンズプロテクター)と同じようなものです。
XF35mmf1.4 にクローズアップレンズを付けると被写体に近づいてもピントが合うようになります。
かなり寄ることができました。
並べてみましょう。


いかがでしょうか?
同じレンズで撮影したと思えないほど違いますね。
クローズアップレンズは各メーカーから販売されています。
今回使用したのはケンコー・トキナーのAC クローズアップレンズ No.4 52mmです。
52mm とあるのは、レンズの径の大きさです。
XF35mmf1.4 のレンズ径が52mmなのでそのサイズを選びました。
取り付けるレンズ径に合うサイズのフィルターを選んでください。
No.4というのは近づける距離の種類です。
No.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.10
があります。
どれを選ぶかは取り付けるレンズ自体の最短撮影距離で変わってきます。
XF35mmf1.4 は28センチメートルでした。
それより距離の遠い No.1(約33〜100センチメートル)を選ぶことはありません。
約17センチメートルまで近づくことができる No.4 を選びました。
もう少し近づきたければ、No.5 や No.10 を付けるか、No.4 に No.2 を重ねて使う方法もあります。
わたしが普段撮影しているワークプロセスフォトの場合、最短は28センチメートルで十分です。
マクロレンズもクローズアップレンズも滅多に使うことはありません。
スナップ撮影で草花を撮る場面では、28センチメートルは月と地球の距離ほど遠く感じます。
大げさ過ぎますけどね。
基本的に XF35mmf1.4 オンリーで仕事しますのでマクロレンズという選択肢はありません。
クローズアップレンズは必携アイテムです。
Kenko レンズフィルター AC クローズアップレンズ No.4 52mm 近接撮影用
FUJIFILM 単焦点標準レンズ XF35mmF1.4 R
今日も元気に楽しく